胚培養士の給料事情【本当に年収2000万?そんなはずがない!】

胚培養士の給料事情のアイキャッチ 胚培養士
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不妊治療の技術者である胚培養士の給料事情は気になりませんか?

不妊治療の花形職業なんていう言われ方もするので、非常に良い給料をもらっていると思いますよね。ある雑誌では年収2000万円と紹介されたこともあるくらいです。

本記事では本当の胚培養士の給料事情を赤裸々に公開します。

 

この記事を書いている私は胚培養士歴約10年の現役胚培養士ですので、信頼性の担保になると思います。

 

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1.胚培養士の年収は2000万円?

お金持ち

胚培養士の年収は2000万円以上という噂を聞いたことがありませんか。

 

それは以前ある雑誌に以下のような記事が出された為です。

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少し抜粋してみると

腕の良い胚培養士になると、年収2000万~3000万円あたりで引き抜き合戦が繰り広げられており、下手な医者より稼いでいる。まさに、不妊“ビジネス”が生んだ、スター職なのである。

DIAMOND Onlineより引用

と書かれています。

私たちの治療費からすっごい貰っているのね!!

実際の胚培養士の中で、年収2000万円以上もらっている人は全体の1%にも達さないでしょう。

それこそ数人といったところではないでしょうか。実際、年収1000万円を超えている人もほとんどいないでしょう。

 

この記事のせいで、不妊治療を受けている方の中には胚培養士のイメージが悪くなったという人もいるかもしれませんね。

 

私たち胚培養士からしても余りにもかけ離れ過ぎていて驚いたというところです。

 

この記事は胚培養士の給料事情について取材不足は否めませんが、以下の点はその通りだと思います。

公的な資格職にすることで当事者たちが金銭だけでなく、それに見合う社会的地位を得るというのもあるかもしれないが、何より胚培養士に治療の成否を託す患者の安心材料にもなりうる。

DIAMOND Onlineより引用

 

今後、胚培養士の資格が国家資格化することで地位向上し、なにより患者様の安心につながればと思います。

じゃあ実際はどれくらいもらっているの?

そうですよね。それでは実際の給料事情について解説しましょう。

 

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2.胚培養士の本当の年収

給料

胚培養士の本当の年収は本当のところどれくらいなのでしょうか。

 

実際は夜勤のない看護師や臨床検査技師などの医療系技術者と同じぐらいの給料です。

 

しかし、学歴(4大卒、大学院卒)や資格(臨床検査技師や生殖医療胚培養士)の保持によって変動する施設もありますし、どれだけ胚培養士を大切にしているかで施設ごとに給料事情は変わってくると思います。

 

当ブログの管理人の以前の年収を例にしてみましょう。

・24歳(大学院修士卒):年収約400万円

・27歳(すべての培養業務ひとり立ち・資格取得):年収約450万円

といったところです。

 

特別悪いことはありませんが、いたって普通ではないでしょうか?

 

自分の過去の給料事情までさらして何が言いたいかというと、ただの庶民ということです。

 

先程の記事では下手な医師よりも待遇がよいと書かれていますが、実際はそんなことありません。

病院で医師より給料がいいことなんてほぼあり得ないことで、胚培養士を含め医師以外のスタッフの給料はいたって普通です。

なんか親近感湧いた!じゃあ年齢ごとの給料はどれくらいなの?

胚培養士の年収に関するデータは少ないので、看護師や臨床検査技師のデータをもとに予想してみましょう。

 

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3.年齢ごとの胚培養士の年収

看護師

胚培養士の給料と近いと思われる、看護師と臨床検査技師の年齢ごとの年収を厚労省の賃金構造基本統計調査をもとに見てみましょう。

 

・看護師(女性)

看護師(女性)の年代ごとの年収は20~24歳388万9800円、25~29歳456万2400円、30~34歳465万7200円、35~39歳480万4200円、40~44歳504万7700円となります。

 

・臨床検査技師(女性)

臨床検査技師(女性)の年代ごとの年収は20~24歳343万4900円、25~29歳395万4400円、30~34歳429万2300円、35~39歳485万6700円、40~44歳477万7900円となります。

 

胚培養士も施設間に差はあるでしょうが、おそらく年齢別の年収はこれぐらいが妥当なのではないでしょうか。

 

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4.実際の胚培養士の年収から思う事

思う事

胚培養士という職業は生命を扱うという責任から精神的に非常に大変な仕事です。

精神科に通いながら胚培養士を行っている人もたくさんいます。

 

また仕事内容も多岐に渡り、多くは顕微鏡下での非常に細かい操作が必要とされます。

 

また日進月歩の生殖医療について常に勉強を重ねなくてはならず、また病院の情報発信や権威性を保つために学会発表や論文発表をしなくてはいけません。

 

しかし、恐らく仕事内容に見合った給料を貰えていないと思う胚培養士も多いのではないでしょうか。

 

その結果、胚培養士の離職率は非常に高いのが現状です。

 

この現状を打破するには胚培養士の地位を向上させ、働きに見合った対価が支払われなくてはいけないと思います。

その1つは胚培養士の国家資格化であることは間違いありません。

 

しかし、そのためには胚培養士一人一人が品位を保ち、不妊治療を行う患者様に全力で技術をふるい、さらに常に向上しなければいけません。

 

不妊治療ビジネスに巻き込まれることなく、私たちの技術が扱われることが、胚培養士にとっても患者様にとっても必要と思います。

 

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5.まとめ

・年収2000万円なんてあるわけがない

・年収1000万円を超える胚培養士すらほとんどいない

・看護師や臨床検査技師などの医療系技術者と同等の給料

・胚培養士の地位向上が必要

 

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