不妊治療の医療費控除と確定申告【不妊治療の治療費を軽減しよう】

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医療費控除をご存じですか?知っていても「めんどくさい」と思って申請をあきらめていませんか?調べてみると金融の専門家が難しいこと言っていて不安になりますが、実際にやってみると意外と簡単ですよ。この記事では不妊治療に特化した医療費控除とふるさと納税についてもわかりやすく解説します。

 

この記事を書いている私は医療機関で働いている不妊治療の専門家ですので信頼性の担保になると思います。

 

1.医療費控除とは

そもそも医療費控除とは何なのでしょうか?

 

国税庁のHPには以下のように書かれています。

 

その年の1月1日から12月31日までの間に自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合において、その支払った医療費が一定額を超えるときは、その医療費の額を基に計算される金額の所得控除を受けることができます。

国税庁HPより引用

 

難しいですよね。

すなわち1年間で10万円以上の医療費がかかった場合に、一部が所得税から還付金という形でお金が戻ってきます

さらに住民税は直接的に戻ってくるのではなく翌年6月からの住民税が減税されます。

(※総所得が200万円未満はその総所得の5%を超える場合が対象となります)

 

またこの医療費は生計が同じ配偶者(扶養でなくてもよい)や親族の合算で構いません。

 

そして一番大切なのは不妊治療も対象となるという事です。

 

特に体外受精や顕微授精などの高度生殖医療は保険適応ではなく非常に高額ですので、1回の治療で10万円を超えることはザラにあります。

そのため、高度生殖医療を受けている人は間違いなく対象です。

 

人工授精の人は1回では対象ではないかもしれませんが、複数回行っていたり、他の医療費(風邪やケガ)や家族の医療費と合算で10万円を超えていたら対象になりますので、計算してみましょう。

※注意点としては不妊治療の助成金や生命保険の給付金など各種給付金や助成を差し引いて、負担額が10万円以上になることですので、注意して計算してみましょう。

 

それでは具体的に何が対象で、何が対象ではないのでしょうか。

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2.不妊治療における医療費控除の対象は

不妊治療でかかったお金の全てが対象となるわけではありません。

何が対象で、何が対象ではないのか理解して申請しなくてはいけません。

それぞれ見ていきましょう。

 

・対象となるもの

タイミング法・人工授精

これら2つは不妊治療の中では安価な治療ですが対象となります。

しかし安価なだけに1度では10万円を超えない可能性がありますので、他の治療などとの合算で10万円を超えるか確認が必要です。

 

また多くのサイトを見ていると人工授精には多くの記載がありますが、タイミング法については記載がほとんどありません。

そのため対象ではないと思われる方もいるかもしれませんが、対象になるようです。

 

体外受精・顕微授精・胚移植

文句なしで対象です。1回で十分対象になることが多いのではないでしょうか。

 

③採卵費

採卵にかかる消耗品に費用も対象となります。

 

④医師から処方された薬

薬代も対象となります。

 

⑤凍結保存料

精子・卵子・受精卵の凍結保存料金も対象になります。

 

⑥不妊治療のためのマッサージ指圧師・鍼師・柔道整復師の治療

不妊治療のためという事と、資格を持っている人に施術してもらうことで対象となります。

(妊活ヨガなどは資格がないので対象外です)

 

⑦不妊治療のための漢方薬

不妊治療目的であれば市販薬も対象となります。

しかし医薬品というのが対象の条件です。

 

⑧病院へ通院するときの交通費

基本的に公共交通機関の交通費が対象になります。

ガソリン代や駐車場代は対象外です。またタクシーも緊急性がない限り対象外です。

 

⑨転院時の紹介状

不妊治療には転院が付きものになっていますが、その際に発行してもらう紹介状の手数料も対象になります。

 

・対象外となるもの

①宿泊費

遠方から通院している場合、採卵の日だけは泊りするという人もいますが、宿泊費は対象外です。

 

②差額ベッド代

差額ベッド代とは1〜4人部屋に入室した際にかかる費用のことです。

不妊治療で入院することは少ないですので関係ある方は少ないかもしれませんが、個人の都合による費用は対象外になります。

 

③妊娠検査薬・排卵検査薬

市販で売られている検査薬にかかる費用は対象外です。

 

サプリメント

サプリメントや健康食品の購入代金も対象外です。

医薬品ではないものは対象外になります。

これまでに不妊治療に伴うサプリメントが医療費控除の対象になるかという争点で裁判になったことがあり、判決としては「医師が服用を指導したり、成分が医薬品と同等であったりという理由で医療費控除の対象とすることはそぐわない」となっています。

そのため基本的には対象とならないようですが、人によっては認められることもあるようで、税務署によって判断が異なる場合があるようです。

 

⑤ジム・ヨガ

マッサージ指圧師・鍼師・柔道整復師など資格保有者の施術以外のヨガや、健康増進目的のジムにかかる費用は対象外になります。

 

⑥遺伝子検査

出生前遺伝子診断や着床前診断など検査が増えてきましたが、検査は治療ではないので対象外です。

 

⑦精液検査・血液検査

こちらも検査であり、治療ではありませんのでこれら単体では対象外です。

 

⑧予防接種

インフルエンザや風疹などワクチン接種は予防目的なので対象外になります。

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3.申請方法

①申請時期

医療費控除は払い過ぎた所得税を取り戻すことができるという「還付申請」にあたります。

この還付申請だけなら確定申告期間(2月16日~3月15日)でなくても1年中申請することができます。

すなわち確定申請で税務署が忙しくなる2月や3月を避けて申請することで早く振り込まれる可能性があります。

 

また5年までは遡って申請することが可能となっています。

 

例えば2020年に支払った医療費に関しては2021年1月から5年間申請することができます。

 

②必要書類

・源泉徴収票

基本的に1月31日までに勤務先でもらうことができます。提出用紙の記載に必要となります。

 

・医療費の領収書やレシート(家族の分も)

提出用紙の記載に必要となります。申請時に提出する必要はありませんが、税務署から求められた時は提出の義務があります。そのため医療費の領収書は5年間は保存する必要があるのでご注意しましょう。

領収書がない交通費などは、利用した日付と乗車した区間、料金をメモしておくだけでも大丈夫です。

 

・医療費控除の明細書

手書きで自分で計算する方法と、Webサイト「確定申告書等作成コーナー」で作成する方法があります。

「確定申告書等作成コーナー」では必要項目を入力すると自動で計算や申告書類の記入をしてくれるのでとても便利です。

 

・確定申告書A様式

税務署でもらうかダウンロードし印刷して手書きで記載する方法と、「確定申告書等作成コーナー」で作成する方法があります。

私はWebで作成する方が便利で簡単と思います。

 

・還付金振込先の口座情報

 

・本人確認書類

マイナンバーカードまたはマイナンバー通知カードと免許証などのコピーを添付が必要です。

 

・印鑑(書面で提出の場合)

 

③提出方法

・最寄りの税務署に持参

・郵送で最寄りの税務署に送る

・e-Taxで申告する(Webで作成したデータを送信する)

 

④誰が申請するべきか

住民税の減額金額は夫婦どちらで確定申告しても差はありません。しかし、所得税の還付金は所得税率が高いほうが多くなります。

すなわち夫婦いずれかの所得が多い方が申請する方がお得です。

 

⑤事実婚でも一緒に申請可能?

不妊治療では事実婚カップルも多くなってきましたが、医療費控除は一緒に行えるのでしょうか。

 

答えとしては法律上の婚姻関係がなければ、一緒にまとめて申請することはできません

 

同じ場所に住んでいても同一の世帯ではない場合には、個別の医療費控除の確定申告を行う必要があります。

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4.ふるさと納税と併用は可能か

ふるさと納税は実質2,000円で豪華な返礼品と交換でき、なおかつ所得の控除を受けられるという人気の節税の一つですが、医療費控除と併用することは可能なのでしょうか。

 

 

答えとしては・・・

 

 

 

 

併用可能です!

 

むしろ節税効果は共に大きいため、しっかりと活用することをおすすめします。

 

しかし、これらを併用するメリット・デメリットがあります。

それぞれ見ていきましょう。

 

・デメリット

①ワンストップ特例制度を利用できない

ふるさと納税にはワンストップ特例制度という一定条件の範囲であれば確定申告不要という制度がありますが、医療費控除と併用することでこの制度が利用できず確定申告が必要となります。

 

しかし、医療費控除はそもそも確定申告が必要ですので手間はほとんどかわりませんし、「確定申告書等作成コーナー」で一緒に申請することが可能です。

 

②ふるさと納税で寄付できる上限額が引き下がる

医療費控除は所得控除の1つです。

そのため医療費控除を申請することによって、課税総所得金額が減り、その分支払う税金が少なくなります。

そうするとふるさと納税で受けられる控除上限額も減ります。すなわち寄付できる上限額が引き下がります。

 

医療費控除との併用により、ふるさと納税の控除上限額が少なくなる金額は、医療費控除額の2~4.5%程度が目安といわれています。

 

すなわち医療費控除額(実際にかかった医療費-10万円)が10万円の場合、2,000~4,500円程度ふるさと納税で寄付できる上限金額が引き下がります。

 

多くのサイトでシミュレーション可能ですので医療費控除額と、ふるさと納税の限度額をそれぞれ計算し、併用する場合の限度額を算出することが大切です。

 

☆おすすめのシミュレーション

・医療費控除額のシミュレーション

・ふるさと納税限度額のシミュレーション

 

・メリット

①寄付先が5自治体以上から選べる

ワンストップ特例制度の条件の1つとして「1月1日~12月31日の1年間で寄付先が5自治体以下」というものがあります。

 

逆にいうと医療費控除と併用する際にはワンストップ特例制度は利用できませんので、寄付先を5自治体以下に絞る必要はありませんので色んな返礼品をたくさん受け取ることが可能という事です。

 

・確定申告の方法

確定申告はWebサイト「確定申告書等作成コーナー」で医療費控除と一緒に作成することができます。

 

確定申告の期間は2月16日~3月15日までです。

必要書類として、寄附先の自治体が発行する「寄附金受領証明書」が別途必要になります。

 

万が一、確定申告期間中に確定申告を忘れてしまった場合でも、還付申請で還付金だけ受け取ることができますので(5年遡って申請可能)落ち着いて対応しましょう。

 

5.まとめとポイント

・不妊治療も医療費控除の対象となる

不妊治療の助成金や生命保険の給付金など各種給付金や助成を差し引いて、負担額が10万円以上であること

・市販の医薬品も対象だが、サプリメントは対象外

・ふるさと納税と併用可能だが、ワンストップ特例制度が利用できない

確定申告書等作成コーナーを活用することで簡単に確定申告できる

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